データで振り返る2018年におけるdAppsのマスアダプション

データで振り返る2018年におけるdAppsのマスアダプション

Tsuyoshi Kaji / 編集長
Tsuyoshi Kaji / 編集長
2018/12/26

2018年の振り返り

2018年は一般的には仮想通貨の投機や価格の暴落が大きく印象に残る1年だったかもしれませんが、同時にブロックチェーンの技術やプロダクトにとっては確実に進歩した1年であり、実際に多くの重要なプロジェクトが2018年にイーサリアムメインネットでローンチされました。

現状dAppsのほとんどがマスアダプションからは程遠いものであることは確かですが、それに向けて一歩前進できたのは間違いありません。

本記事では2018年のイーサリアム上のdAppsのアダプションをデータから読み解いていきます。

クリプトキティーズ

ノンファンジブルトークンを活用したコレクションゲームであるクリプトキティーズは2017年の11月にリリースしてから爆発的にユーザーが増加し、トランザクションの増加に伴ってイーサリアムはネットワークの遅延に悩まされ、スケーラビリティ問題が浮き彫りになりました。

2017年末の時点でクリプトキティーズの週間アクティブユーザーは3万でした。しかし、クリプトキティーズはそのユーザー数を保つことはできず、2018年の1週目には6000にまで減少しました。そして、2018年を通して約1000にまで減少しました。

https://metabase.duneanalytics.com/public/question/4a655ee3-2254-46e6-96f9-31b7925d5cc6

週次のリテンションレート (ユーザー保持率) は年間を通して約40%と非常に良好な数字を前後していましたが、最終的には保持していたユーザーも離脱してしまっているようです。

しかし、ユーザーのうちのかなりの割合が一定期間クリプトキティーズに熱中していたことは間違いありません。

MakerDAO

MakerDAOは2017年末のローンチを皮切りに2018年を通して話題に上がったプロジェクトの一つです。DAIの仕組みであるCDP (collateralized debt position:ETHを担保としてDAIを発行するスマートコントラクト) には大きな注目が集まりましたが、 それと比較してDAI自体やその使用に関してはあまりフォーカスされていません。

グラフから分かるように、DAIを送信しているアドレスの数は着実に増加していますが、2018年11月にDAIを送信したユニークアドレスの数は2500に留まっています。これは既存のウェブプロダクトと比較にならないほど小さい数字です。

https://metabase.duneanalytics.com/public/question/0ac6b45c-cee9-4fc7-9bb8-4935e5322f82

一方、クリプトキティーズと同様にDAIのリテンションレートも非常に堅実な数字となっています。つまりDAIのアクティブセンダーは一月以上に渡ってDAIを送信していることになります。さらに、ユニークアドレスの累計は11000となっており、そのうち56%のアドレスは1回または2回のトランザクションしか発生させていません。

https://metabase.duneanalytics.com/public/question/5a560ab2-52a6-4b88-9777-bb5f8d4daa1a

現在、約1万のアドレスがDAIを保持しており、ほとんどの場合ペイメントやdAppsでの使用より仮想通貨の価格暴落を避けるための手段として使われていると考えられます。

Compound

Compoundは仮想通貨をプールすることができるマネーマーケットのシステムです。ユーザーはプールした仮想通貨を担保として他の仮想通貨を借り入れることができ、各仮想通貨の需要と供給に基づいた利子が決定されます。Compoundは2018年9月にローンチされ、その時点では一人の大口投資家が100万REPトークンをサプライしているという状況でした。

https://metabase.duneanalytics.com/public/dashboard/0fa08e2e-d1c8-4fa3-a590-bdc6d11355b6

11月下旬にDAIが追加されてからはDAIの借り入れが増加し、DAI貸付の利子が高騰したため、その時点ではステーブルなDAIをホールドしながら15%以上の年利を得ることができました。DAIの追加から1ヶ月以内に約800万ドル分のDAIがCompoundのプールにサプライされました。

https://metabase.duneanalytics.com/public/dashboard/0fa08e2e-d1c8-4fa3-a590-bdc6d11355b6

REPトークンのサプライやイーサリアム上の大口投資家とは異なり、DAIのサプライは広く580のユニークアドレスに分散しています。

https://metabase.duneanalytics.com/public/dashboard/0fa08e2e-d1c8-4fa3-a590-bdc6d11355b6

サプライの増加に伴った利率の低下によって、400万DAIが引き出されることになりましたが、発行済の全てのDAIのうち、6%がCompoundにプールされています。この数字は他のグローバルファイナンスと比較すると微々たる数字ですが、ほんの数カ月でこれだけの注目を浴び、多くの資金がプールされたことは大きなことです。

0x Protocol

DEX (分散型取引所) のプロトコルである0xプロトコルの2018年の累計注文数は63万でした。

https://metabase.duneanalytics.com/public/question/fbfe36c3-5016-4b40-a82a-c4351eec04b9

9月下旬の0xバージョン2のアップデートローンチ以降、比較的早いスピードで注目され始めました。秋の下落期には特に注文数が急増し、ドル換算の取引額は下落しましたが、トレード数は増加しました。5月に競合であるIDEXが数日間凍結された際にはトレード数は爆発的に増加しており、これはDEX業界の高い競争率を示しています。

Aragon

Aragonは約2ヶ月前にメインネットでローンチされました。それ以降約200のDAO (自律分散組織) がAragonプラットフォーム上で作られています。

https://metabase.duneanalytics.com/public/question/e123753d-9d23-4b40-9711-4833afa95b3b

200という数字自体は大きいとは言えませんが、より重要なのはこれらのDAOが、一部のブロックチェーンファンによって作られているのではなく、きちんと目的を果たしているかということです。

まとめ

この1年は数多くのプロダクトがイーサリアムメインネットにローンチされた年となりました。ここまでで説明した数字の通り、現状はマスアダプションとはかけ離れています。しかし、着実に増えてきている数字や堅実なリテンションレート、分散型金融プロトコルの進化を見ればマスアダプションの兆候は微かに感じられます。この1年でローンチされたたくさんのプロダクトが2019年にどれだけのユーザーを獲得し、マスアダプションに近づけるか楽しみにできるでしょう。


参考

この記事はDune Analyticsというイーサリアムのデータアナリティクスツールの運営による分析記事に基づいています。

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