分散型予測市場Augurは次世代ギャンブルのスタンダードになるか【ホワイトペーパー解説】

分散型予測市場Augurは次世代ギャンブルのスタンダードになるか【ホワイトペーパー解説】

Sairi Tanaka
2018/11/07
中央的主体が結果を判断することなしにギャンブルを成り立たせることは可能でしょうか?ブロックチェーンを用いた分散意思決定の仕組みはギャンブルを管理する中央的主体を取り払うことに成功しました。Augurが作り出す経済圏は予測市場のすべての工程を自律分散させます。
自律分散した予測市場は、世の中に一体何を生み出すのでしょうか。
そしてそれを支えるAugurの仕組みについて、ホワイトぺーパーを踏まえて分かりやすく解説していきます。

Augurとは

Augurは分散型オラクルと予測市場のプラットフォームです。ユーザーは「問いを立てる」「未来予測をする」「結果を判定する」などの行動によって予測市場に貢献することで、仮想通貨の報酬(Reputation)を得ることができます。

Augurのビジョン

そもそも既存の予測市場の弊害とはなんでしょうか。既存の予測市場には、取引の帳簿を管理する中央主体と、イベントのアウトカムを判断し、報酬を分配する意思決定者が存在しました。我々は管理者による贈賄、盗難リスクや結果の誤判定リスクと常に向き合う必要があったのです。
Augurは分散型の予測市場を作ることで、グローバルに大きく開けた、最低限のコストの予測市場の実現を目指します。
しかしこれを実現するためには、現実に起こった事象と合致する、大衆の納得がいく結果判定が不可欠です。Augurは「需要のある問いを立てる」「正しい未来予測をする」「正しい結果を判定する」ことに対してどのようにインセンティブを与える仕組みを作っているのでしょうか。

Augurの仕組み

Augurを簡単に説明すると、まずマーケットを作成され、それに対して投票に相当する行動が行われた後、レポーターによって結果が判定され、利益配分されるプラットフォームです。
さらにレポーティングの部分を詳しく見ると以下のようになります。
ユーザーが取れる行動という視点で4つの項目に分けたので、以下をご覧ください。
【マーケット作成者】
マーケット作成者は予測の対象となる問いを設定します。

この際、無意味な問いが乱立することを防ぐ目的で有効性補償金という前金のようなものを支払います。これはマーケットが問題なく進行された場合は返金されます。また、マーケットの作成と同時に、予測の審議を判断するレポーターを指名します。マーケット作成者が機能しないレポーターを選んでしまわないようにするため、指名レポート不参加補償金の支払いも行います。こちらも同様に、つつがなくレポートが行われれば返金されます。

【評価者】

マーケット参加者はイベントのアウトカムを予測し、アウトカムのシェアを取引します。アウトカムとは想定される結果の選択肢のことです。例えばアウトカムA,Bが存在する場合、参加者は「Aのシェア」「Bのシェア」を取引することになります。

【レポーター】

マーケットのイベント発生後に、結果を報告するのがレポーターの役割です。

  • 指名レポーティング

マーケット作成者に選ばれた指名レポーターは自身の発表するアウトカムに対して指名レポーターステークを払います。これはアウトカムが答えから外れた際に没取されます。

指名レポーターが3日の期日以内にレポートできなかった場合、誰もがレポートできる期間に入ります。

指名レポーターがレポートに失敗してから、最初にレポートしたユーザーをファーストパブリックレポーターと呼びます。ファーストパブリックレポーターは、アウトカムがマーケットのファイナルアウトカムになった場合に、不参 REP 保証金を獲得することができます。

このようにして指名レポーターもしくはファーストパブリックレポーターがアウトカムを作成することをイニシャルレポートと言います。これによって暫定アウトカムが決定します。

  • 争議のREPステーク

暫定アウトカムに異論があるユーザーは、異なるアウトカムにREPをステークすることで争議を起こすことができます。争議ステークの合計が争議補償金に達すると争議が成功します。争議ラウンドは7日間であり、争議によって導かれた暫定アウトカムに対しても争議を起こすことができる。

【パーティシペーショントークンの購入】

REP保持者はPT(パーティシペーショントークン)を手数料期間(7日間)に一度購入することができ、保有量に応じて手数料期間に生じた手数料を受け取ることができる。これがユーザーが7日に1度はAugurを訪れるインセンティブとなり、Augurの活性化につながります。

手数料期間中に収集された手数料を受け取る方法は以下の3つです。
  1. イニシャルレポートでREPをステーク
  2. 暫定アウトカムに対して争議
  3. パーティシペーショントークンを購入

このようにして未来予測プラットフォームの進行が保証されています。

Augurのこれから

2015年にICOにて550万ドル調達したのち、2018年7月9日にメインネットワークをローンチしました。2018年10月時点で1382のマーケットが生まれ、2億円程度に相当するトークンが動いています。一方でユーザースケールのための課題としては手数料の問題が挙げられます。そもそもETHの購入、送金などに生じる手数料に加え、Augur内での各種行動にも手数料がかかります。また、動作の遅さやUXの不便さも解決すべき課題として挙げられます。

基本的に無料で、改善の重ねられた既存のインターネットサービスに人々が馴れ親しむ中、Augurが社会に浸透するためには解決すべき課題は多いのが現状です。

ですが現在もAugurのバグの修正や新しい機能の追加が随時行われています。Ethreumのスケーラビリティ問題なども含めて業界全体が前進し、ユーザビリティが高まることに期待が高まります。

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