HyperledgerエグゼクティブディレクターBrian Behlendorfが見るブロックチェーンの未来 – MIT Business of Blockchain #2

HyperledgerエグゼクティブディレクターBrian Behlendorfが見るブロックチェーンの未来 – MIT Business of Blockchain #2

Tsuyoshi Kaji / 編集長
Tsuyoshi Kaji / 編集長
2018/10/18
今年2018年4月にボストンで開催されたカンファレンス「Business of Blockchain」はMITテクノロジーレビューとMITメディアラボDigital Currency Initiativeによって主催され、ブロックチェーンの技術、思想、社会への影響などのテーマでディスカッションが行われました。Economies2.0編集部ではこのイベントがとても有益なものだと考え、このイベントで扱われているトピックを取り上げることにしました。本記事ではHyperledgerのエグゼクティブディレクターBrian Belendorfのブロックチェーンに対する意見をまとめ、現状をどう見ているのかについて紹介します。

Brian Behlendorfプロフィール

Hyperledgerのエグゼクティブディレクター。元Apache HTTP Serverの主要開発者であり、Apacheソフトウェア財団の創設メンバー。また、2013年以降Mozillaファウンデーションの理事を務めているなど、オープンソースソフトウェアのムーブメントを牽引してきた開発者のうちの1人。

Hyperledgerプロジェクトとは

オープンソースのブロックチェーンプラットフォームで、2015年12月にLinux Foundationによって開始され、ブロックチェーンベースの分散元帳をサポートしている。 パフォーマンスと信頼性の多くの面を改善することを目指して、主要なテクノロジー、金融、サプライチェーンの企業を含むグローバルビジネストランザクションをサポートするように設計された分散元帳に焦点を当てている。(出典 Wikipedia)

ブロックチェーンに触れた経緯

オープンソースのムーブメントを牽引してきたように、もともとオープンソースが惹かれていた。しかし、近年は合理性という理由から集権的なwebが普及した結果、もともとのインターネットの価値である「新たな経済的価値」や「自由」を支えていた分散性が失われていると感じていた。そしてその分散性を取り戻すのに必要なものはオープンソースであると思っており、インターネットを再び分散化させる技術全般に注意を払っていた。その内の一つとして目に留まったのがサトシナカモトによるビットコインホワイトペーパーだった。

 仮想通貨への見解

サトシナカモトホワイトペーパービットコインには気に留めていたものの、マイナーにはなろうと思わなかった。PoWによるマイニングは環境保護論者である自分にとっては当初から問題に思えた。また、自分は通貨の投資家ではなく、ボラティリティの高いものにお金を換えることに興味を持たなかったため、通貨自体は魅力的に思わなかった。現在も

ブロックチェーンとHyperledgerに惹かれた理由

ビットコインの誕生以降もブロックチェーン技術はしばらく仮想通貨と結び付けられていたが、あるとき土地の所有権をブロックチェーンで管理するユースケースを知った。それ以来、継続的にリサーチを行い、ブロックチェーンを必ずしも通貨に結びつける必要はないと結論づけた。そしてPoWを用いず、パーミション制にし、匿名性を取り除けばより有用性が高まると考えた。そして、そういった考えと一致するHyperledgerのプロジェクトに惹かれた。

パブリックチェーン vs プライベートチェーン  / パーミッションチェーン vs アンパーミッションチェーンについて

それぞれが対立する概念だという考えから脱するべきだと思っている。チェーンにガバナンスを持つことは悪いことではないし、プライペートとパブリック、パーミッションとアンパーミッションは単に異なった特性であり、誰が台帳への記入・閲覧権を持っているかという違いしかない。インターレジャーのように各チェーン間で働くプロトコルによって互換性を持たせることもできる。例えばHyperledger Burrowというプロジェクトは、EVMのインプルメンテーションで、EthereumのSolidityや他の対応する言語で書かれたスマートコントラクトのパーミッションチェーンでの実行を可能にしている。また今は、GDPRやHIPAAのようなスマートコントラクトが実行できるレベルのガバナンスを超えるようなデータに関する規制がある。こういった環境下ではパーミッションネットワークの方が適している。様々な異なる環境下でも作用するプログラムが必要だと思う。どちらか一方のみに価値があり、どちらか一方のみが残っていくということはなく、それぞれが互いの特性を補完し合う形で共存していくことになると思っている。

 無数に存在するプロトコルと互換性について

メールを利用する際に必ずしも皆がGmailを使う必要がないように、ブロックチェーンにおいても必ずしも一つのプロトコルが使われる必要はないと思っている。アプリケーションを開発する上で、複数のチェーンにデプロイすることも可能性としてある。Hyperledgerは、そういった複数のチェーンの互換性を実現するためのインフラストラクチャーを作っている。

EEA (Enterprise Ethereum Alliance)について

EEAとHyperledgerは対立構造で考えられがちだが、対立するものではない。EEAはイーサリアムのビジネス利用に関する規格を提供するのに対し、Hyperledgerは実際にコードをビルドする。ビジネス利用には両方必要なもので、提供するものが違う。今後の協業により相互に補完し合うことができるようになる。

まとめ

いかかでしたか。BTCやETHのようなトークンを持たないブロックチェーンであるHyperledgerをリードするBrian Behlendorf氏の意見は本質的なブロックチェーンの議論に欠かせないものでしょう。EEAとの協業も発表し、ビジネス利用でのブロックチェーンがどのようになっていくのか楽しみです。

参考
 
 
 
 
 
 
 
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