イーサリアムブロックチェーンのビジネスユースケースとは?#1

イーサリアムブロックチェーンのビジネスユースケースとは?#1

Kouta Takeuchi
Kouta Takeuchi
2018/11/22

イーサリアムのビジネス利用

イーサリアムブロックチェーンは、その可能性から、多くの企業によってビジネスにも応用されようとしています。

JPモルガンやMicrosoftなど主要金融機関だけでなく、ブロックチェーンのスタートアップ企業やテクノロジー企業など多くの企業が、各産業の抱える問題を解決するために、イーサリアムブロックチェーンの導入を行なっています。

本記事では、二回に渡ってイーサリアムブロックチェーンを活用したビジネスにおけるユースケース紹介して行きます。

今回は、ビジネスユースケースの第一回として、

  • 銀行・金融サービス
  • 貿易金融
  • サプライチェーン

について、次回は

  • 行政
  • 再生可能エネルギー
  • 石油・天然ガス
  • 法律
  • 不動産

のユースケースを紹介していきます。

銀行・金融サービス

【問題】

コストの高さ

信頼性の提供、 アクセシビリティ、攻撃耐性、設備故障の即時対応などに多大なコストがかかっています。

例として、主要銀行は年に2億ドル以上の予算をサイバーセキュリティに費したり、口座のアカウント変更時に、複数の書類手続きが必要となる手間などが上げられます。

ブロックチェーンの利用機会】

リスクの回避

全ての銀行がブロックチェーンの分散型トランザクションによる支払いを採用した場合、さまざまなリスクが回避されます。

たとえ何らかのシステムがダウンしても、国内の銀行間の支払いがストップすることはありません。

アクセシビリティの向上

直接的に取引することが可能になるので、二重支払いや詐欺などの可能性を減らすことができます。そして、ブロックチェーンの分散かつ書き換え不能な性質により、銀行からの規制報告などを簡素化することもできます。

【ビジネスユースケース】

トークンを利用したリアルタイム決済

イーサリアムブロックチェーンをベースとしたソリューション提供を行うブロックチェーン企業ConsenSysがスペイン最大の商業銀行グループであるサンタンデール銀行とタッグを組みました。イーサリアムブロックチェーンを利用することで、国内・国際間の決済が10~15秒で完了する換金可能なトークンシステムが可能になりました。

Khokaプロジェクト

南アフリカの中央銀行がイーサリアムブロックチェーンをベースとした決済システムの概念実証を行い、南アフリカの銀行間が従来導入していた即時グロス決済の99%のトランザクションが2秒以内で承認されるという成功をおさめました。

貿易金融

【問題】

貿易システムの不統一性

急速なグローバル化により、貿易金融における記録追跡システムの標準化やデジタル化がより進んだ反面、国独自の規制・輸送水準、証明書の必要性など、異なったボーダーラインや司法権により貿易システムの統一がされていない状況となっています。

ブロックチェーンの利用機会】

合理的な取引プラットフォームの形成

ブロックチェーンにより、銀行・貿易商・監査会社や政府など、承認された機関だけがデータやトランザクションの記録を交換することができる安全で合理的かつペーパーレスなプラットフォームを提供することができます。

【ビジネスユースケース】

Komgo社による貿易システム統一

大豆と原油に関するユースケースが証明されたのち、15の世界的に主要な銀行や貿易会社が、「Komgo」というブロックチェーンベースの金融プラットフォーム会社に支援されている貿易金融ネットワークを公式発表しました。

エンドツーエンドの暗号化とクレジットのデジタル文字を通してユーザーデータを共有することで、「komgo」はマネーロンダリングなどを防ぐKYC(顧客確認)プロセスの確立や一時的にローンの担保として商品を所有する銀行への確実性を提供することが可能となりました。

サプライチェーン

【問題】

日用消費財や飲食物などすべてを支えている今日のグローバル規模のサプライチェーンは、非効率的でトレーサビリティが低く、そして搾取問題が頻発しています。

非効率性

包装産業においては、輸送コストの半分が包装作業に費やされています。

トレーサビリティの低さ

2010年から2012年にかけてアメリカで行われたOceanaによる全国規模の調査では、海鮮食品は最大87%も偽装表示が行われていることから、トレーサビリティの問題の例として上げられます。

搾取問題

主に電気機器の塗装に利用されるマイカと呼ばれる鉱物は、12歳以下の児童労働者から違法に採掘されているように、搾取されている層が存在することは明らかです。

ブロックチェーンの利用機会】

透明性の向上

ブロックチェーンのパブリックで永久的な取引記録により、原材料など生産の段階から消費者の手に届くまで、世界中の一連の物流の動きに関して透明性やアカウンタビリティーが保たれます。また、ITインフラを共有することで、供給業者から配達・製造・小売業者などのワークフローが簡素化され、チェーン上にあるお互いのアクティビティが可視化します。

【ビジネスユースケース】

イーサリアム上のサプライチェーンプラットフォーム「Viant」

今年はじめに、Microsoft社が協力し、イーサリアムブロックチェーン上に、物流のトレーサビリティ機能をもったプラットフォーム「Viant」を立ち上げました。目的は、魚が持続可能なソースから捕獲されるよう保証するという、WWF(世界自然保護基金)発プロジェクトの展開補助をすることです。さらに「Viant」は巨大医薬品会社GlaxoSmithKlineと共に、科学者が使用する特許の相互的な追跡記録の実現と、製品がきちんと生産・運送され、そして正しい状態で保管されるよう働きかけています。

QRコード×スマートコントラクトによるトレーサビリティ向上

500社以上の供給者・配送業者からなる企業連合GenuineWayが、食品・酒類にQRコードを付け、合成食品の製造元を明らかにするスマートコントラクトを実装しました。

まとめ

このように、イーサリアムブロックチェーンはすでに様々な産業のビジネスで応用され始めており、大きな可能性・将来性を秘めていることは間違いありません。次回も、異なる産業におけるビジネスユースケースを引き続き紹介していきます。


参照

 

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