Fidelity House 盗作を防ぐコンテンツプラットフォームが形成するトークンエコノミー

Fidelity House 盗作を防ぐコンテンツプラットフォームが形成するトークンエコノミー

Kouta Takeuchi
Kouta Takeuchi
2018/11/14

連載 #ユースケースからトークンエコノミーを知る では今までに行われたICOの中からトークンエコノミーを形成しようとしているものをピックアップし、ホワイトペーパーの解説を通してユースケースを紹介します。

本記事ではイタリア発のソーシャルコンテンツプラットフォーム「Fidelity House」を紹介します。著作権問題などを気にせず、マネタイズも可能な自由な執筆活動を可能にしてくれるこのプラットフォームでは、一体どのような経済圏を作り上げているのでしょうか?

一緒にサービスの特徴や仕組み、今後の動きなどを見ていきましょう。

Fidelity House

Fidelity Houseはマーケティング予算0円のスタートアップから数年で1年7.5億ページの閲覧数をたたき出すまでに発展したイタリア発のソーシャルコンテンツネットワークで、2011年の設立以来すでにイタリアを中心に多くのユーザーを獲得しています。

ユーザーにとっては興味のある質の高いコンテンツを楽しめ、著者にとっても著作権保護やマネタイズなどのサービスを受けることのできるプラットフォームとなっています。

FidelityHouseは、ブロックチェーンを利用することでこれらを可能にし、独自の経済圏を作り上げようとしています。

Fidelity Houseのサービス

FidelityHouseでは、著者と編集者、ユーザーなど各コンテンツに関わる多くの人にとって価値のあるサービスを提供します。

著者に与えられるサービスとして、まず著作権保護があります。

FidelityHouse上ではブロックチェーンのタイムスタンプ機能を利用することで原作に対する著作権保護が確実なものとなります。

他にも、剽窃防止のための監視ソフトウェアなど、様々なサービスがFidelityHouseのERC20トークン(FIH)で利用可能です。このトークンはコンテンツに広告を載せてマネタイズすることで入手することができます。

閲覧者に対するサービスもいくつか挙げられます。

登録ユーザーは、自らの興味に沿って表示される最新のコンテンツをタイムライン上で閲覧することができます。このコンテンツは承認されているため専門性も高く、質の高さが保証されています。

そして、ブロックチェーンの透明性を活かして、出版日時や著者などが確実に記録・表示されるので、信頼性の高いコンテンツが自ずと集まります。

こうしたインセンティブがトークンの利用動機を産み、FidelityHouseのプラットフォームを軸とした質の高いコンテンツ経済圏が構築されていきます。

Fidelity Houseの掲げるビジョン

FidelityHouseはこのプロジェクトに2つのミッションを掲げています。

  1. 著者やコミュニティ、出版社に対して、フェアな財産分配と保護に関する革命的なサービスの提供をすること
  2. メディアを、より個人のためにカスタマイズされた活発なメディアへと変え、著者や各産業のインフルエンサーたちを魅了させ続けられるような国際的に主要な高品質コンテンツプラットフォームのひとつになること

以上のビジョンは、著者とユーザーの両面へアプローチした、メディアプラットフォームの変革だと捉えられます。

また、FidelityHouseのビジョンでは、コンテンツを制作した人が確実に著作権を持つべきであり、個人の能力や影響力は一部に限定されるのではなく、マネタイズ可能な資産として評価されるべきだとされています。

つまりFidelityHouseは、すべての作品に報酬が与えられるようなフェアで透明性の高いコンテンツプラットフォームの実現を目指しています。

これらのミッションを達成するために、書き換え不可能かつ高い透明性のあるブロックチェーン技術を利用した新しいアプローチが必要不可欠なのです。

仕組み

FidelityHouse Chain

FidelityHouse Chainのイーサリアムブロックチェーンを利用しており、このプラットフォーム上で、Proof of Authorship, Proof of License, Proof of Revenueと分類された3つの情報を記録しています。

これらはProof of Workなどのコンセンサスアルゴリズムではなく、機能上の名前です。

Proof of Authorshipは剽窃防止のためのコンテンツの記録、Proof of Licenseは著者が指定する自分のコンテンツの二次利用ライセンスの記録、Proof of RevenueはFIHトークンの分配などの記録を行なっています。

では実際に、FidelityHouse Chainがどのような流れで作用するのかを説明します。

1. 著者がFidelityHouseにサインインし、FidelityHouseのFIHトークンを支払ってサービスを受けられます。

いったんFidelityHouseに登録すると、

  • ブロックチェーン上のタイムスタンプ(著作権の保護、出版日時の証明等)
  • 剽窃監視 (ソフトウェア利用による重複したコンテンツの探知)
  • 剽窃保護のための法的サービス
  • デジタルカリキュラム

などのサービスから少なくとも一つは選び、利用料としてFIHトークンを支払います。

2. ブロックチェーン上に記録された後、ライセンスに応じて承認済みのコンテンツがプラットフォーム上にアップロードされます。

3. 定期的に、「ベスト・オブ・ブリード」のクラウドサービスを通じてコンテンツが監査され、違反のものだけ報告されます。

以上のFidelity House Chainの仕組みが、次のFidelity Houseのコミュニティの中でうまく活用されています。

エコシステム

Fidelity Houseのエコシステムは以下のような流れで成り立っています。

  1. 著者が著作物を申請
  2. コンテンツのオリジナリティをFidelityHouseが判定する
  3. コンテンツ分野に知見を持った2人のモデレータによって出版の可否が判断される
  4. コンテンツがweb上に公開される
  5. 閲覧に応じて広告収入が発生し、トークンとして著作者、モデレーター、プラットフォームに配分される
  6. FidelityHouse上のサービス利用の対価としてトークンを消費する

このようにコンテンツ制作に関わった人々にきちんとインセンティブが設けられるため、FidelityHouseをプラットフォームとしたトークンエコノミーが成立しています。

今後の動き

FidelityHouseは今後の動き・発展について3つの指針をもっています。

1. FidelityHouseプラットフォームへのロイヤルティを高める

記事の翻訳や、コンテンツだけでなく写真などの盗作規制システム、そしてユーザーのリクエストに答えたカスタマイズ式の専門的記事作成システムの展開を行うことで、より著者のマネタイズの幅が広がり、プラットフォーム自体へのロイヤルティも高まります。

2. FidelityHouseトークン(FIH)の価値の向上

広告主はFidelityHouseトークン(FIH)を支払い、出資された記事などが載っている広告スペースを利用して認知度を広めることができます。このような、さらなるインセンティブを広告主に与えることで、トークン利用を活発化させ、トークンの価値を向上させます。

3. FidelityHouseアプリ

FidelityHouseの独自アプリ開発により、著者はいつでもどこでもコンテンツの承認申請などが可能になり、ノート機能によりアイデアを記録できたりと、新しいインセンティブが生まれます。

以上から、FidelityHouseの今後の動きに対する計画的な姿勢は十分にみられ、さらなる発展も期待できるでしょう。


参考

LINE@

LINE@で最新情報をチェック!!

Economies 2.0のLINE@を友達に追加して 最新情報を受け取りましょう

LINE@で最新情報を受け取る