急速な成長を遂げるEOSのエコシステムとその要因を考察する

急速な成長を遂げるEOSのエコシステムとその要因を考察する

Tsuyoshi Kaji / 編集長
Tsuyoshi Kaji / 編集長
2018/12/07

今回はEOSの考察第2弾として急速な成長を遂げるEOSのエコシステムを考察します。

前回のおさらい

前回はEOSの概要として、プロトコルの特徴を解説しました。

押さえておくべきポイントは以下の通りです。

  • DPoSというコンセンサスアルゴリズムによってトランザクションが速く、スケーラブルなチェーンである
  • 独自のリソースシステムによってユーザーの手数料が無料

前回の記事をまだ読んでない方はこちらから。

今回はエコシステムの急速な成長要因となっているEOS VCやWorker Proposal Systemなどについて解説します。

Worker Proposal System

前回EOSは年間5%がインフレし、そのうち0.25%がBlock Producerに分配されると説明しましたが、4%はWorker Proposal System (WPS) に分配されます。これはEOSのエコシステムに貢献する人 (worker) への報酬となります。報酬をもらうことのできる提案は、トークンの保有者による投票によって選ばれ、得票するに応じた額のEOSが分配されます。

WPSのシステム自体は開発段階にあるためまだ実装されておらず、現在はWPSのコントラクトにEOSトークンが蓄積されているのみの状態のようです。開発はWPS Working Groupによって進められており、Mediumで順次公式発表をしています。実装はまだのようですが、実装されればEOSのエコシステムの成長に拍車をかけることは間違いありません。

スケジュール

以下が当初予定されていたWPSのスケジュールです。

  • 2018年 9月/10月 – 第1回リファレンダム:WPSのファンドの特定のコントラクトへの転送、Emergency Committeeと呼ばれる一時的な提案の調査・監視委員会の設立、初期の提案カテゴリーの決定に関する投票が行われる
  • 2018年 11月/12月 – ガバナンスのコンペティション:各カテゴリーのガバナンスデザインに関するコンペティションが開催される
  • 2019年 1月-3月 – カテゴリー投票:どういった提案が各カテゴリーに当てはまるかなどに基づき、カテゴリーに投票が行われる

2018年12月6日現在、第1回リファレンダムはまだ行われていません。WPS Working Groupの公式Telegramで尋ねたところ、現在はリファレンダムシステムのツールの開発を行われているようです。

カテゴリー

以下が、現在提案されているカテゴリーです。最終的にはリファレンダムによって決定します。

  • Oversight:WPSのポータルサイトのメンテナンス・他カテゴリーの監視に関する提案のカテゴリー
  • Infrastructure:EOSブロックチェーンのベースとなるコードに関する提案 (セキュリティ監査・バグ修正など) のカテゴリー
  • Community:ミートアップや教育コンテンツ・PR活動など、コミュニティに関する提案のカテゴリー
  • Development:EOS上のdAppsなどを含むアプリケーションの開発に関する提案のカテゴリー
  • Miscellaneous:その他の提案のカテゴリー

提案承認プロセス

現在考案されている提案の承認からプロジェクト終了までのプロセスは以下のような流れが考案されています。

考えられる懸念

WPSには現状以下のような懸念が考えられます。

  • 大口保有者の投票に左右されすぎる
  • インフレの4%は多すぎる
  • 必要不可欠な提案が承認されるとは限らない
  • BPまたはBlock.one (EOSの開発企業) がWPSの代わりに資金を賄えるかもしれない

EOS VC

EOS VCはEOSのエコシステムを活性化させ、一般普及させるためにBlock.oneによって設立されたベンチャーキャピタルです。1億ドル (100億円以上) がファンドとして準備されているとアナウンスされており、EOSのアプリケーションなどのプロジェクトが投資の対象となります。

EOS VCからの直接投資以外にLP (limited partnership) 投資としてEOSのアプリケーションプロジェクトを条件に世界中のベンチャーキャピタルに間接投資を行っています。

現在EOS VCとパートナーシップを結んでいるベンチャーキャピタルとその詳細は以下の通りです。

  • TomorrowBC:50 millionドル

TomorrowVenturesというベンチャーキャピタルのEric ShmidtとEOS VCによるパートナーシップとして設立された投資会社です。TomorrowVenturesはブロックチェーンだけでなく様々なベンチャー企業に投資を行っています。

  • Galaxy Digital:325 millionドル

Galaxy Digitalはブロックチェーン関連の企業に積極的に投資を行っている投資会社で、すでにBlock.oneやRippleを含む複数のブロックチェーン企業に投資を行っています。

  • FinLab AG:100 millionドル

Finlab AGはヨーロッパに拠点を置くフィンテック領域を中心に投資を行っている投資会社で、ヨーロッパでのリーチを目的にパートナーシップを結んだようです。

  • EOS Global:200 millionドル

EOS GlobalはEOS VCがMichael CaoとWinnie Liという投資家とパートナーシップを組んで設立したジョイントベンチャーです。このベンチャーキャピタルはEOSに関連するアジアで行われるプロジェクトにフォーカスして投資しています。

  • SVK Crypto:50 millionドル

SVK Cryptoはロンドンに拠点を置くブロックチェーン関するベンチャープロジェクトに主に投資を行っている企業で、EOS上のdAppsに向けて積極的に投資を行っていくようです。

このように、EOS VCが地震で投資を行うだけでなく、世界中の様々なベンチャーキャピタルを利用してエコシステムの活性化を図っています。

イーサリアムのエコシステムでこのような役割を担っているのはConsenSysですが、ConsenSysはイーサリアムプロジェクトとは独立した企業のです。こういった点に関してもBlock.oneという開発・運営主体の存在するEOSならではだと思います。

まとめ

第1回でBlock Producerは投票を獲得するためにツールなどを開発するなどの手段でEOSエコシステムに貢献していると説明しました。このようなBPによる活動に加え、上記のWorker Proposal SystemやEOS VCの存在もEOSのエコシステムの急速な成長の要因となっています。他のプロトコルとは異なり、エコシステムへの貢献へのインセンティブが設計されているEOSの今後の発展が期待されます。

次回以降はEOSのガバナンスモデル周辺について解説する予定です。


参考

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